特別講義『近井沙妃氏による、女性フォトグラファーが、女性のヌードを撮る、ということ』について、学生がリポート!

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講義データ

講義概要

2018年5月28日に発売された
葵つかさ芸能10周年記念写真集
「AS I AM –あるがままに-」
その写真集の撮影を担当したフォトグラファーである
近井沙妃さんから制作についての考えや心得などを
話していただきました。

講演者

近井 沙妃さん

講演者プロフィール

1991年 千葉県出身
デジタルハリウッド大学在学中に
同校教員の写真家・若子jet氏の紹介により
カメラマン・山岸伸氏のアシスタントとなる。
2018年5月29日に自身初となる写真集の
葵つかさ芸能10周年記念写真集
「AS I AM –あるがままに-」
が徳間書店より発売された。

(イベント公式紹介文より引用)


全体を通して、どんな内容だったか

大学時代の話やフォトグラファーになるまでの
お話もありましたが、メインは今回発売された
写真集の制作についてのお話でした。
近井さんなりの仕事術やその時のエピソードを
交えて語っていただきました。

写真集のコンセプトは?

今回の写真集はヌードありきのもの。
そんな中でどんな写真集にするか、
何を求めるかを話し合った際に、

・母親に見せたくなるような写真集
・今までと違う方向性で好きなように
・ずっともっていたくなるようなモノ
・その時の気分を感じたままに

と言った意見が出たそうです。
そうして話がまとまっていくうちに
近井さんと葵さんに好き勝手やってもらいたい
という話に落ち着きました。

その際に近井さんは

・葵さんの嫌がることはしない
・最初にすべてを決めたりせずに、
その時の気分や感じたままに撮影する

この二つを重視することを決め
結果的に、写真集のコンセプトは、タイトルにも
ある通り『あるがままに』となったそうだ。

ヌードに対するイメージは?

そう聞かれた時、何を想像するのでしょう。

一般的なイメージ、または男性カメラマンが
撮る場合には『』を感じるようなものが
多いと思います。
それを否定する気は全くありません。

近井さんは葵さんと話している間に
「花や果物も使い方によって
王道のグラビア感が強くなるよね」
といった意見が一致したり、
「あからさまに狙ったエロや生々しいものは、
今回のコンセプトには合わないよね」
という話になったことから
ファッション系、ビジュアルエロス的な美
』を感じるようなものをイメージした
と近井さんは話してくれました。

実際、写真集を見てくださった方々から
言われたことは
「男が撮ったみたいだね」
「色使いが女性らしいね」
など、意外にもそういった感想が
半分半分でした。

中には
「特別男性的視点でもない、
特別女性的視点でもない、
その子をそのまま撮っていていいね」
という感想もありました。

私自身、相手が男性だから、
女性だからではなく、”その人”がどうか
ということを大事にしていること、
自分の性別も気にしていないことに気づきました。

どんなことを意識にして撮影に挑んだか

 

1.その場でしか撮れない写真を撮る

今回の撮影はすべてタイで行われました。
当たり前ですが、わざわざ海外に来ていて
日本でも撮れる写真を撮っては意味がありません。
その場所の空気感、色、光、葵さんが
何を感じたのかを表現したかったのです。

良い場所を見つけたら積極的に
撮影を行いました

そして「良い場所」というのは
葵さんを引き立てつつ
現地の雰囲気・空気感が伝わる場所です。
主役は葵さんであり、風景・場所ではありません。

 

2.被写体がどう撮られたいか
を常に考える

一番最初に撮るカットは確実に
喜ばれるカットにしようと
明るく可愛く、自撮りのような
撮り方を心がけたり、
「衣装で用意した靴が
とても気に入ったから靴も綺麗に撮ってほしい」
などの要望に答えるなど
一番に葵さんが喜んでくれたらいいな
と思いながら撮影しました。
また、自分から被写体に似合う雰囲気や
シチュエーションを押し付けがましくなく
提案することも大事だと思います。

 

3.現場全体を考えた気配り

衣装は借り物なのか、買い取ったものなのか。
(借り物は汚さないよう特に気を使います)
撮影場所の衛生面は問題がないか。
出版社の要望と被写体の要望のバランス。
スタイリストさん・ヘアメイクさんの仕事を
無駄にしない撮影順序。
「写真集」という媒体になることをイメージ
しながらバリエーションや構図・画角など
時にはデザイナーさんが扱いやすい写真を
心がけたり。

自分がすべて出来ているとは言いませんが
色々なことに対する事情や要望に対して
可能な限り答えられるようにすることが
仕事をスムーズに進めること、
現場の空気を良くすることに繋がると思います。

 

4.『撮りこぼし』が無いように注意する

撮影を終えた後に
「この写真の別のアングルのものが欲しい」
「服がはだける前のものが欲しかった」
などの要望が出てくることがあります。

顔の向き、表情、ポーズ、画角、衣装の展開などの
バリエーションに注意して撮影したり、
その度に「他に欲しいカットはありますか?」
と確認したり、
出版社の方とロケハン・スタントインをして
要望を聞いたり、ある程度撮影したら
パソコンに入れて必要なカットの
撮影漏れはないかを見直したり、
一番はより良いものを作るために、
そして次に自分の身を守るためにも
なるべく撮りこぼしが無くなるようにしています。

ちなみに今回の撮影場所はタイ。
撮影は実質三日間で行ったそうです。
そうして今回撮った写真の数は
5800枚にもなったとのこと。
これでも少ない方らしいです。
撮っておけば撮った分だけ後で選べる
撮らなければ何も無い
からだそうです。


質疑応答

事前のロケハン無しに
現地入りした場合、撮影場所を
決めるプロセスを知りたいです

ノーメイクの状態からメイク・衣装
着用の準備時間が大体1時間程、
その間に現場全体を見て、
衣装や光のバリエーションを
考えながら撮影場所を割り振ります。
撮影→メイク直し・着替え中に
再調整を繰り返します。
その時間で一番いい光で撮ること
と、テンポよく進めることを
心がけています。

女性視点からのヌードとは?

個人的な見解ですが、
今求められているのは
「今までと違うなにか」
であり、別に”女性視点”ということ
ではないかと思います。
“女性視点”という言葉が
便利なだけかなと。
自分の性別など関係なく
私は今回、葵さんを
尊いな、尊いな
って思いながら撮影しました。

大学を辞めて良かったですか?

大学に通いながらでは
師匠のアシスタントになることは
難しく、退学を選びました。
デジハリに入って良かったし、
デジハリを辞めて良かったとも
思っています。
在学中に学んだことは
自分の中で生きているし、
辞めた後でも先生方や友人と
交流が続いています。
デジハリに入っていなければ
今の道には繋がっていませんでした。

 

まとめ

今回は撮影に関する話がメインだったので
知識不足から少々、私がわからないことも
多くありましたが、チーム制作という点では
非常に勉強になる話だったと思います。

「周りのことを考えながら、
自分の意見も伝えて進める」
これがどれだけ難しいことか
分かっていただけると思います。

今回はヌードという単語に釣られて参加しましたが、
予想外に良い話を聞けて良かったと感じています。

 

最後に

個人的なお話をさせていただきました。

他にもグラビア、ヌードの撮影
などの経験はありますか?

グラビアの撮影は師匠のお仕事で
月に数回のペースであり、
基本はアシスタントとして
現場につきますが
自分も撮影する場合もあります。
ヌード撮影は今回が2回目でした。
葵さんが芸歴10年のプロの方なので
そこに自分のペースや撮りたいもの
を押し付けるのではなく、
お互いの程よいバランスを
見つけるよう心がけました。

ヌード撮影に関して抵抗は?

全くありませんでした。
ヌード撮影自体に全く抵抗は
ありませんでしたが、
もし男性の興奮を昂ぶらせるものを
撮って欲しいという依頼
だったら受けることが
出来なかったと思います。
そういうものを否定している
ワケではなく、ただ、
それは私ではなく他の人が
撮るべきだと考えています。
私に依頼が来たということは、
今まで撮影したものと違うものを
求められているということなので、
私なりにストレートに撮りました。

ヌードを撮っていることを親に
説明しているのですか

撮影前に話しました。
両親も「いい機会をいただいたね。
頑張って来なさい。」と言って
くれて写真集も購入してくれました。
両家の祖母も某通販サイトで
ポチってくれました。
葵さんのお母さんも
喜んでくれていたと後日、
連絡をいただきました。
葵さんの10周年記念の大事な
写真を撮影させてもらえて、
自分にとって初めての写真集が
葵さんで本当に良かったです。

 

近井さん、貴重なお話をしていただき、
本当にありがとうございました。

以上で今回の記事を〆させていただきます。
ありがとうございました。

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